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2006年6月13日 (火)

FT DX 9000で遊ぶ: オーディオスコープで声紋を観る

Hr_0 FT DX 9000Dには、送信信号のスペクトラムをモニタする機能があります。 それにより音声の周波数成分の変化を確認することが出来ます。

モニタモードは大別して、下記の2つ。
1.標準:横軸が周波数、縦軸が信号強度を示したもの (1枚目の写真)
2.ウオーターフォール:横軸が周波数、縦軸が時間スクロール。 信号の強さが色の濃さとして表されるもの。(2枚目の写真)

Hr_1  スコープのスペックは下記の通り。
周波数範囲:100Hz~4000Hz
分解能: 約20Hz
表示レベル: 約80dB
信号処理: FFT
入力レベル: 1 Vp-p

"2"は、日頃、あまり見かけない表示モードですが声紋の概要が分かるので、ちょっとした確認には便利です。
因みに2枚目の写真は、マイクに向かって色々と話した時のモニタ画像です。 縦のスジが刻々と変化しているのが分かるかと。基本周波数(F0)と其の高調波です。

Hr_2 3枚目の写真は、『あ~』と音声入力したときのスペクトラム分布です。
縦の縞模様が等間隔に沢山見えています。 F0の倍音(高調波)ですね。 濃淡がその成分の強さを示しています。 専門用語では、そのエネルギーの集中している領域(色の濃い部分)を低い方から順に、第1フォルマント(F1)、第二フォルマント(F2)と呼びます(以下F3, F4,....)。 この図ですと500~600Hz付近の色の濃い部分がF1。 900~1KHz付近がF2。2.7KHz付近がF3、3.5KHz付近がF4と読み取れます。 

色の濃淡では少し分かりづらいところがあるので、ここで、5/27で紹介したチャートを持ち出して分析してみましょう(同一条件で測定したデータではありませんが、説明用には使えるかと)。 

Voice_spectrum   
山の高さが成分の強さなので、フォルマント構造が良く分かるかと思います。 因みに一番高い山(75Hz)は、基本周波数F0と呼ばれ、以降、その倍音成分が続いています(対数グラフなので等間隔にはなっていませんが)。 実は、小生、以前はこのF0を『第1フォルマント』と理解していたのですが、それは誤りである旨、音声関係の専門家から指摘された経緯があります。 ....素人の浅知恵を反省した次第ですHi(汗)。

フォルマントとは、人間の声や楽器の音などが固有に持っている周波数スペクトル(倍音成分の分布パターン)のことです。 たとえば「ア」という音は、だれが発音しても、また音程を変えて発音しても「ア」と聞こえます。これは「ア」のフォルマントが、どのような状態でも一定の 周波数分布を示すからです。フォルマントは、その音が何の音であるかを区別し、聞き分けるための重要な要素です。電話のような周波数特性の悪いシステムでも誰の声か判別できるのも、また、『声紋』で脅迫電話の犯人を割り出すのも、皆このフォルマントがあればこそ。 ...これ以上書くと、メッキが剥がれますのでこの辺でやめておきます(汗)。  詳しく知りたい方は、専門書とか、インターネットで検索する良いでしょう。 何れにしてもFT DX 9000Dのスコープ機能で、そうした声の簡易分析が出来るので便利です。

ところで、あの声紋分析の権威、鈴木所長もハムでしたね。 ←この写真に見覚えのある方は多いでしょう。 (先日、7MHzでの交信していたら相手に、『あの声紋分析で良くTVに出てくる方ですか?』 と、よりによって鈴木所長と間違われてしまいました。 う~、あまりに恐れ多いことであります)

それにしても、アマチュア無線をやっていて、まさか声の分析まですることになるとは思いませんでした。 これも、無線の奥の深さですね。

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コメント

タイムリーな解説ありがとうございます。とても参考になりました。
鈴木所長は人だけでなく、犬の鳴き声の分析をされており、ひところブームになったバウリンガルの誕生に関わっていらっしゃるという話を聞いたことがあります。
犬の鳴き声にフォルマントがあるのかは?ですが、犬に比べて猫の鳴き声の分析は非常に難しいのだそうです。

猫は勝手気ままなので、難しいのでしょうかね?でも、猫の場合はテレパシー(?)の方が鳴きマネよりも通じるように感じています。

投稿: JI1ANI 福井 | 2006年6月13日 (火) 21時37分

テレパシー、ですか。猫は飼ったことがないので良く分かりません。

『声紋』は、鈴木所長が発案した造語と聞いています。つまり、人がそれぞれ違った『指紋』を持っているように声も人によって違う。だから、声の場合は『声紋』。

猫にも指紋があるのかどうか良く分かりませんが、声紋はあるんでしょうねえ~。(?)

投稿: JA1BBP 早坂 | 2006年6月14日 (水) 12時51分

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