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2008年3月 2日 (日)

8次エリプティックLPF MAX7403CSA

Ws000000CQ誌によく寄稿されているJA3DEW 清水OMの記事でこのICの存在を知りました。
スイッチド・キャパシタによるLPFですが、コーナー周波数を境に急激なカット特性を得られる大変FBなチップです。
カタログ値によると、1.2fcで、-60dB減衰してくれます。
通常のRCフィルタでは、なかなかこのレベルを達成できません(チェブシェフだと8段以上が必要かな)

氏のHPには、このICを使った様々な記事が掲載されています。最初に興味を引かれたのが、AFハイカットフィルタです。
LSB受信時に、下の周波数から入ってくるキンキン音をカットしようとするものです。
上掲の通り、コーナー周波数を境にして『バッサリ』上を切ってくれるので、QRMの多いバンドの受信には大変FBなようです。
今まで、こういう石は無かったので、ほお~と感心して読んでいるうちに、『!』。
これを送信AF段に使えば、SSBの送信帯域上限である3.0kHzを境にバサッとカットできるのではないか、と思いついたのでありました。

DX9000では、送信帯域を幾つか選択できますが、一番広い3000WB、50-3000などを使うと、結構帯域外にはみ出てしまうんです。
厳密に言うと、100-2900でも少しはみ出ます。 DSP全体のスカート特性が広めなので、3.5MHzのように3kHz間隔で局が出ているバンドで1kW運用をすると、どうしてもそのあたりが気になってしまいます。 そこで、AF段で3.0kHzを境に急峻にちょん切ってしまえば、他には迷惑を掛けなくなる。 というのがそもそもの基本アイディアです。

従来は、イコライザを使って、3.2kHzを中心周波数としAF成分を減衰させるようにしていたんですが、1/Oct. あたり-12dB減衰させるのが限界。
しかも、2.6付近から3.2kHzに向けて減衰が始まってしまう為、小生が目指す全域フラット化に逆行する特性となっていたのでありました。
そこで何か良い方法はないかなあ~、と考えていたところ上記AFハイカットフィルタの記事に出会った次第です。

実は、その記事に触発されて、色々とMAX7403CSAの情報を集めているうちに、以前、氏がCQ誌2006年6月号に、この石を使用した『マイクアンプ』の記事を書いている事を知りました。
バタフライ方式SSBジェネレータ関連の記事だったので、当時はあまり興味が無く、読み飛ばしていたのでした(タイトルだけ見て読み飛ばすことが多いんですHi)。

そんなこんなで、『よし! この石を使って送信AF段用LPFを作ろう!』ということになりました。

先ずは、石集め。 
実は、これが大変でした。 秋葉原のパーツショップでは見つけられませんでした。
その後、JA1RPK 川名さんから情報を頂き、川崎のサトー電気に売っていることを知る。 それで先週、出張帰りに川崎に立ち寄って買ってきたのでありました。
ショップの主人によると、『CQ出版社から頼まれて、MAX7403CSAを置くようになった』のだとか。 切っ掛けは、やはりJA3DEW清水OMの記事。
考えてみれば、特殊な用途の石ですからね、余り売れないので取り扱っている店は無いのでしょう。
因みに価格は一個、¥693。 趣味用途としては、リーズナブルな価格です。 あ、サトー電気は、通販もやっているので地方からでもオーダーは出来ます。

さて、部品も揃ったので、設計コンセプトも固めなくてはなりません。
それほど複雑な機能を持たせる訳ではないので、考えることは多くはなかったのですが、下記のようにしました。

1.コーナー周波数を決める発振器は、LTC1799を使用した秋月のキットを利用。
  周波数は、ロータリーSWを使い5ポイント変えられるようにする。
  ポイントは、最終的には 2850, 2900, 2950, 3000, 3050kHz とする。
  因みに、MAX7403CSAでは、この周波数を1/100 した値がコーナー周波数となる。
  つまり、実際にAF段でのコーナー周波数は、次の5種類。
  2850Hz, 2900Hz, 2950Hz, 3000Hz, 3050Hzとなる。
  ....これが昨日のBlog記事にある発振周波数の意味です。

2.フィルタの構成
  実は、1段にするか、2段にするか最後まで悩みました。 清水OMの記事は全て2段構成(カスケード接続)にして、コーナー周波数を境に断崖絶壁のような減衰特性を得ています。  しかし、小生の場合は、今回1段にすることにしました。 理由は、下記2つ。

  (1) 音質面での劣化を心配。 実際どうなのかは確かめていませんが、理屈的に一段の方が音質の劣化は少ないはず。
    そもそもHiFi SSBを標榜しているからには、音質の劣化要因をなるべく排除したい。
      1段でも、3000Hzから3200Hzの200Hz間で-20dBの減衰は達成可能なので。

  (2) FT DX 9000の送信DSPのフィルタ特性に期待
    これまでの測定データから、送信帯域設定を"50-3000"にした場合、3000→3200Hz間での減衰量は-20dBは得られることが分かっている。
    DX9000本体の減衰量-20dBと、上記LPF(1段)による-20dBを合わせると、トータルで-40dBを確保できる。
    3200Hzの箇所で-40dB以上減衰していれば、実運用上問題にならないレベル。 なにせピーク値の1/00のエネルギーですからね。

   というわけで、MAX7403CSAを1段で使用することにしました。
  
  (3)バッファアンプ
    上記LPFからの出力をそのままリグに引き渡すわけには行かないので、バッファアンプを最終段に付ける。
    最近は、優れたオーディオ用のOPアンプが多数出てきているので、OPアンプを使うことにする。 基本的には、OPアンプによる音色の違いを確かめ、最終的には一種類に絞り込みたいので、基板には8pin DIP用のソケットを付け、OPアンプを自由に交換できるようにする。
    OPアンプの候補として考えているのは以下。
    AD8610, LM4562, LME49720NA/N, OPA2604, OPA627
         最後のOPA627は、かなり高価なので当面は使えそうもありません。 OPアンプに2000円以上掛ける気にはちょっと...

  (4) 電源
    100VからDCアダプタを介して電源供給できるようにする。 合わせて、電池駆動(006P 4個並列)も出来るようにする。
    電池駆動の場合、マンガン電池を使用。 音を重視するならば、アルカリよりもマンガン。 当然OPアンプもこれで駆動する。

さて、そんなわけで部品も揃ったので、汎用基板を使い製作を開始したのであります。

Dms_2

つづく

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コメント

なるほどぉ~~~。4つの魔方陣(笑)を眺めていたら小さくすると丁度カットオフ周波数だなぁ・・・とは気づきましたが、周波数が高いので×だと思いました。まさかLFPだとは・・・。
こちらのマイクアンプ、マジで正面パネルにDIPソケットがコンニチハ・・・しているようなデザインを考えましたが、さすがにやめました。
カッコ悪いとかではなくて、抜き差しし過ぎて壊しそうだから・・・(笑)。

投稿: JI1ANI 福井 | 2008年3月 2日 (日) 11時37分

>こちらのマイクアンプ、マジで正面パネルにDIPソケットがコンニチハ・・・しているようなデザインを

その気持ち分かります! いちいち、ケースを開けてOPアンプを交換するのは面倒ですからね。
とは言え、OPアンプのエージング期間もあり、そう頻繁に交換することはないのでソケットはケースの中でも良いのかな。 

いや~、それにしても面付けチップのハンダ付けには神経をすり減らしましたよお~。
次回工作時は、拡大鏡でもを買おうかと思いましたHi。

投稿: JA1BBP 早坂 | 2008年3月 2日 (日) 18時04分

以前コストコで買った電気スタンドが結構活躍しています。
小型の円形の蛍光灯が付いているのですが、蛍光灯の中央は大きなレンズになっていて、上側のふたを開けると蛍光灯つきのルーペになるんです。
細かい作業に最適かもしれません。母の読書に活躍しています。

投稿: JO1KVS | 2008年3月 2日 (日) 22時17分

それ、形状が想像できます。 FBそうなので今度買うことにします。

投稿: JA1BBP 早坂 | 2008年3月 3日 (月) 06時32分

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