« DMS カップリングコンデンサ マッチング中(その2) | トップページ | コンデンサ、一括エージング中 »

2008年3月 8日 (土)

実は、DMSの真の狙いとは....

カップリングコンデンサの選定も終わり、本格的にDMSを稼動させています。
これまで断片的な製作記事ばかり書いてきましたが、ここにDMSのブロックダイアグラムを紹介します。

Dms_block_diagram 要するに、
1.MAX7403を用いたオーディオフィルタ(LPF)により、SSBのハイ側に帯域制限を掛ける。
  帯域制限の他、上記LPFをバイパスさせるSWも設ける。
2.帯域制限周波数は発振器により作り出し、ロータリーSWにより可変出来るようにする。 (285kHzから305kHz)
3.無線機への出力段には、オーディオ用Opアンプを用いたバッファーを設ける。
4.無線機とのGND電位の差によるトラブルを防止する為に、006P(9V)による駆動も出来るようにする。  (音質の面からも、006Pはベター)
....とまあシンプルなコンセプトです。

ここまでは機能面での方針なんですが、実は別の大きな狙いがありました。 それは....

FT DX 9000Dのデジタル変調器に直接、音声信号を入れる』ということです。

音づくりを手がける人間にとって、これは以前からの願望でした。
昔のリグだと、リング変調器の手前にマイクアンプからの信号を入れる、ということも出来たわけですが、最近のDSP機ではとてもそういうことは出来ません。
信号が一旦デジタル化されてしまってた後は、ソフトウエアの世界なのでユーザーは手も足も出せません。
ではどこまで手を加えられるかというとデジタル化される直前、つまりDSP機では、A/Dコンバータの直前までと言うことになります。

A/Dコンバータで音声信号がアナログ→デジタル変換されるので、そこに高品位な信号を届けてやれば、あとはYAESU技術陣により開発されたデジタルPSNのアルゴリズムで変調品質が決まります。
無線機の外部で作り込んだ音声信号を、DMSを介してアンバランス変換とLPF処理を行い、あとは一気にA/Dコンバータに渡したい。
....これが、ここ数ヶ月考えていたことであり、それを実行に移したのが先週でした。
3/4付けのBlog記事『リグ内蔵マイクアンプへの憂鬱』は、実は当記事の前振りとして書いたものでした。 (つまり、これまでの”憂鬱”を打破する為の装置がDMSなのであります)

ただ、諸兄すでにお気づきの通り、当改造には大きな課題があります。 DX9000のA/Dコンバータにどうやって信号を入れるか、です。
言うまでも無く、当改造には相応の覚悟と、回路の理解が必要でした。 なにせ、YAESUは聞いても教えてくれませんし、変な改造をしてリグを壊したら困るのは自分ですからね。 大きなリスクが伴います。
DX9000の回路図を通勤電車の中で読み込むこと約1週間。 ここなら大丈夫だろうと結論に達した箇所が下記した場所。

9000_dms_in_2

A/D変換器の前段にLPFがあるので、この手前にDMSからの出力を入れてやれば、トラブルなく信号が伝わるのではないか(DX9000のマイクアンプ部を完全に無視!)。
ただ、大きな課題が2つある。 ①信号レベルの管理と、②無線機とDMS間のGNDレベルのマッチング。

①については、DMS出力段のOpアンプを5V駆動にすることで解決できる。
②については、DMSを乾電池(006P)駆動にすることで、GNDループ電流によるトラブルは避けられる。 また、乾電池を使用しないときはACアダプタを使用するが、秋月で買ったACアダプタは、スイッチング方式であり、DC側のGNDは、フローティング状態なので、無線機と繋いでも問題はない。

以上を確認した上で、DMSとDX9000との接続を『決行』したのであります。
それにしても、技術的にはイケル!と分かっていても、結線を行なったあとで、いざ無線機と、DMSの電源を入れる時には、ドキドキしました。
何せ、無線機が最悪壊れるかもしれないことをやろうとしているんですから。(汗)

結果として今日でかれこれ1週間になりますがトラブルなく動作しているので、ほっとしています。

因みに、小生が何故ここまでDMSの作成に精力をつぎ込んできたかを示す一枚のチャートをお見せしましましょう。
Dts_vs_original_blog_2 変調出力特性です(AFのf特)。 DX9000のオリジナルのマイク端子にピンクノイズを入れたときの出力(赤色)と、DMS経由でピンクノイズをA/Dコンバータの手前に入れたとき(青色)の比較です。
一目瞭然! DMS経由の信号は、下は60Hz(!)から忠実に信号を再現し、上は3000Hz付近までほぼリニアな特性を示しています。 
音質が良いと言われているDX9000でさえ、オリジナルの特性は赤い点線ですからね。 3/4の記事で書いたとおり、DX9000のマイクアンプ段が如何に音を劣化させているかが良く分かるでしょう。 (そういった意味では、IC-7800なんかは、音声信号をデジタルで直接変調段に入れられるわけですから理想的です)

低域から高域まで一直線に伸びる理想的なライン。 これを実現したかったんです。
小生が、当機を『大魔王スペシャル、DMS』と名付けたが理由がお分かり頂けたでしょう。

うふっ♡ また、オモチャが一つ出来た。 happy01 

|

« DMS カップリングコンデンサ マッチング中(その2) | トップページ | コンデンサ、一括エージング中 »

HiFi Audio in SSB、音関連」カテゴリの記事

コメント

おめでとうございます。音も大分変わりましたし、良い方向へ変わっていますので、サスガです。
もう一つの方法はデジタル化してからDSPに入力する方法だと思います(7800相当)だと思いますが、ADコンバーターでの差は存在するものの、マイクを変えることに等しい変化しかないと思います。
もちろんCS5396が嫌いというのであれば別ですが、僕もオーディオで使っていますが7800のAKMシリーズとの差は感じたことがありません。
しかし音ちがいますね、憂鬱なのもしかたありませんね。

投稿: JI1ANI 福井 | 2008年3月 8日 (土) 19時35分

>もう一つの方法はデジタル化してからDSPに入力する方法だと思います

当面は、A/Dコンバータの手前までをターゲットにして遊ぼうと思っています。
A/Dコンバータにまで手を加えてしまうと、もうDX9000ではなくなってしまうような...。

>しかし音ちがいますね、憂鬱なのもしかたありませんね。
低域がしっかり出ているのにスッキリ聞こえる。 中高域の粒立ちも良い。解像度がある。 位相ズレのないクリアな音。 →狙っていた音が実現できたので大満足です。

あとやることとしては、回路定数が落ち着いたところでプリント基板をおこすことかな。
出てくる音は良いんですが、実のところ空中配線などが所々にあるので、ちょっとスッキリしません。
...嗚呼、エンドレスです。

投稿: JA1BBP 早坂 | 2008年3月 9日 (日) 07時04分

プリント基板化、是非やりましょう。一枚希望します。マイクアンプにフィルター入れて遊んでみたいです。
こちらもマイクプリにADCを追加することを考えていて、なんとかなりそうです。
もっとも、回路的にはADCにマイクプリがオマケで付いたような規模になってしまうのですが・・・。

投稿: JI1ANI 福井 | 2008年3月 9日 (日) 11時57分

すばらしい成果が出たようで、さすがです。
放送局並み?でしょうか。
現時点で世界のトップを走っているかも知れませんね。
プリント基板、人気出そうです。
近いうち、一冊本出してください。
「HiFiSSB道」

投稿: JO1KVS | 2008年3月 9日 (日) 14時38分

福井さん

>プリント基板化、是非やりましょう。一枚希望します。

おおっ、プレッシャーを感じる...。  確約は出来ませんが今年前半の『チャレンジ目標』とします。
あ、JA3DEW清水OMが、AFフィルタの基板を3月に再頒布する予定なので、そちらの選択肢も検討してみてはどうでしょうか。 (http://www.geocities.jp/ja3dew/AFF-E11.html) ご参考までに。 

投稿: JA1BBP 早坂 | 2008年3月 9日 (日) 18時49分

小出さん

>現時点で世界のトップを走っているかも知れませんね。

いえいえ。 この世界は、人知れずやっているOMが沢山いますので上には上がいます。まだまだです。


>近いうち、一冊本出してください。「HiFiSSB道」

この間、ご紹介したオンブック(インピーダンス・マッチング)のようなものだといけるかしらん?
でも、小生の場合、自分の無能さを世に晒すことになるので、ちょっと....
まあ、自分のBlogで書きたい放題やっているのが一番楽です。happy01

投稿: JA1BBP 早坂 | 2008年3月 9日 (日) 18時56分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/209564/40423630

この記事へのトラックバック一覧です: 実は、DMSの真の狙いとは....:

« DMS カップリングコンデンサ マッチング中(その2) | トップページ | コンデンサ、一括エージング中 »