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2008年7月 3日 (木)

『オーディオ常識のウソ・マコト』 千葉憲昭著

Audio 本棚にあった本を10年振りくらいに読み返しました。
初版から結構経っていますが、オーディオの世界のウソ・マコト、を明快に解き明かしてくれている本なので、オーディオを初心者にはお勧めの本です。
例えば、下記のようなチャプターがあります。

-無酸素銅で音は良くなるか
-部品によって音質が変わるか
-聞こえない音も重要?
-電源神話を斬る
-A級アンプ崇拝もほどほどに
-真空管アンプの音は本当に良いのか?
-笑ってすまされないCDへのおまじない

などなど、面白い章題がちりばめられています。
基本的には、オーディオという感覚的で曖昧な世界で信じられている(?)事柄を、著者の知見で解説するとともに、一部の誤謬を正して行く、という内容になっています。

例えば、上記の”CDへのおまじない”の中では、バッサリと『あり得ない』と切って捨てているところが爽快です。
具体的にどのような、誤謬を切って捨てているかというと、
■CDの周辺部に着色(緑色)すると音が良くなる
■CDを冷やしたら音がクールになる
■CDにカッターナイフで十文字に切り込みを入れたら音が良くなる
という普通の人が聞いても『え?』と一笑に付す類のもの。 しかし、一部のオーディオマニアの間ではまだ信じられているものに対して、『んなわけない!』と、切り捨てています。
まあ、小生も流石にそこまでは信じられませんので著者の主張には納得ですHi。

ただ、部分的には同意できない部分もあります。 例えば、無酸素銅ケーブルについて書いている部分。 著者は、基本的にはその効果について否定的であり、通常の使用においては殆ど差はない、との立場を取っています。 確かに、著書では聴感上の差が出る可能性については示唆していますが、全体として肯定的な論調になっていません。

本件、音を聞き分けられるかどうかの個人の能力に関わる話ですが、このような本を出すからには、著者は平均、或いはそれ以上の聴覚を持っていることが大前提だと小生は考えているので、その意味において、この著者、理屈は立つが、聴覚が並なのかな....などと思ってしまいます。 だって、ケーブルを変えると確かに音が変わるんだもの!! それを聞き分けられないなんて...。 とはいえ、著書の内容には8~9割方同意してますけど。

何れにしてもオーディオは、魑魅魍魎、底なしの世界。
個人の価値観でどうにでもなる世界ですからね。 本人が納得できるところまで、とことんやれば良いのであります。

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コメント

こんばんわ。
理屈が立つだけに、測定器で差が計測できないとダメな方なのではないでしょうか?
なんとなく耳では感じていらっしゃるにもかかわらず、裏付けるデータなり理論がないと耳を疑ってしまうタイプに感じました。

投稿: JI1ANI 福井 | 2008年7月 4日 (金) 22時37分

著者の名誉の為に補足しますと、著者自身はオーディオファンです。 
『オーディオファン』による初心者向けの解説本が本書です。
科学的冷静さを保とうとする余り、自分の理屈の外側にある存在には懐疑的というスタンスになっています。 まあ、音楽という感覚の世界を、科学的に実証しようとするとどうしてもグレーゾーンは『無いもの』になってしまいますからね。 

とはいえ、あのUFO論争で有名な大槻教授ほどの硬い頭ではないです。 
小生は、どちらかというと、それに挑む『たま出版の韮沢編集長』に近いかな。

いいなあ、韮沢編集長。 大槻教授に『あんた、なんでそれが金星人だと言えるのお~?』
と突っ込まれても、『いや、それはですね』と、真顔で切り返せるあのキャラ。 好きだなあ....。
あ、話がそれましたね。 coldsweats01

投稿: JA1BBP 早坂 | 2008年7月 5日 (土) 06時40分

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