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2009年2月24日 (火)

スーパーデジタルオーディオプレーヤー(SDAP)

Sdap去る日曜日、水戸のオーディオショップに行き『スーパーデジタルオーディオプレーヤー(SDAP)』の試聴をしてきました。 聞き馴れない名前かと思いますが、簡単に言えば『パソコンをベースにしたオーディオプレーヤー』です。

その原理を非常に単純化して言うと、内蔵のCD/DVDドライブからハードディスクにリッピングし、再生時にはそれをサウンドカード経由で出力する装置です。 リッピングや、音楽ファイルの管理、再生はWindows XPでやっていますから、その意味ではやはり『パソコン』という見方ができます。

ただ単なるパソコンと違うところは色々とありまして、例えば、

1.CD/DVDドライブで再生している音をそのまま聞く訳ではない。HDDにリッピングされた音を聞く。

2.CD上のデータの正確にリッピングするために、読み出しエラーが検出されても安易にエラー訂正はせず、正しいデータがとれるまで繰り返しCDからデータを読みだす。 通常のCDプレーヤーは、CDを回転させながら(一発勝負で)読み出されたデータを元に再生し、読み取りエラーがあった時には欠損ビットをテキトーに推定して補正しており、それが音質劣化の原因になっている。

3.HDDは2機搭載しミラーリングしている。これにより一方がやられても、残った一機でバックアップ再生ができる。因みに、この会社(株式会社EMT)はもともとネットワークサーバーを構築している会社なので、民生用と品質レベルが全く違う業務用のHDDSDAPに採用している。

.サウンドカードは、当代きってのグレードのものを使用。 Lynx Studio TechnologyのLynx L22。 (←これ、一枚10万円以上するカードです)

Img_18132 5.ファンレスなので静音設計

6.アナログ入力端子もあるので、アナログプレーヤーからの信号をデジタルデーターとして保存できる。

7.インターネットからダウンロードした音楽ファイルもHDDに格納して再生できる。

8.音楽再生ソフトには、イコライザ機能、スペアアナなどがついているので音の加工や分析も可能。(ま、パソコンと考えれば当然ですが。でも一般のCDプレーヤーでは絶対に出来ないことです)

7.デジタル再生性能は、192kHz 24bitまでOK.

などなど。 その他仕様詳細は、この会社のHPを参照願います。

で、肝心の音はどうかというとパソコン臭い感じがせず、音場感のあり且つ繊細な音を出していました。 一応、比較の為に用意されていたのがCDトランスポートの名器と言われるスチューダのD730でした(ちょっと古い型ですが)。 数曲で聞き比べましたが、何れもSDAPが勝っていました。

ところで、最近ようやく『CDはデジタルだから音がいいとか、音が劣化しない』という迷信がとけてきた気がします。 特にデジタルだから音が劣化しないという点は、全くの誤解で使用する光ファイバーや、デジタルデバイスで面白いように音質は変わるのであります。 再生技術の面では特に”エラー訂正”がくせ者で、CDプレーヤーでは(メーカーが独自に決めたアルゴリズムにより勝手に)訂正して音を繕ってしまうので、本来の音ではない音を聞かされているのが実情です。  

その意味では、CD-ROMに格納されたビットパターンを正確にHDDに写し取り、それを忠実に再生するという同社のアプローチは全うだと考えています。

さて、約3時間にわたり試聴させて貰った後、このプレーヤーの値段を同社の社長に聞きました。 (内心は、70万円くらいかなあ....) すると、

申し訳なさそうに、

170万円です』との答えが。 ひえーーーっ!!

パソコンと考えれば幾らなんでも高すぎますが、業務用のサーバーと考えれば少々高めか。 更に高級オーディオプレーヤーと考えれば、そんなものか。

要するに基準をどこに置くかで、高すぎたり、妥当な額とも思える不思議な製品なのであります。 とはいえ、決して安くない製品なのは確かであり、『あっしには関わりのないことでござんす』と、内心思いながら、そそくさとオーディオショップを後にしてきたのでありました。 メーカーのHPはここです。

PS: こうした製品をみると、CDというメディアもあと何年保つんだろうかと考えてしまいます。 CDLPを駆逐したように、CDもインターネット経由のダウンロードに駆逐される日も近いのではないかと思います。

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コメント

L22ですかぁ。これいいんですよねぇ・・・・。170万円という価格については価値観の問題ですが、PCの部分が10年持たないということを考慮すると他の高額ピュアオーディオ製品とちょっと違いますね。
例えば100万円のアンプは10年たってもアンプとして機能しますが、パソコンは10年たつとモロに陳腐化しますからねー。

170万円でもPC内部の電源ケーブルにパッチンコアは入っていないのですね。まぁL22は基盤も良く設計されていて、ノイズだらけのPC内部でもアナログ出力でS/Nが上手くとれるようになっているので別にノイズ対策は不要なんですけど・・・。

全部は無理としてL22いかがですか?Twoと比べてかなり価格が下がっています。
Lynx Twoを聞いたことがありますがsign03って感じでしたのでL22も同様なのでは?きっと録音したファイルを聞くのが楽しみになりますよ。

投稿: JI1ANI / 福井 | 2009年2月24日 (火) 01時34分

仰るとおり”陳腐化”の宿命はありますね。ただ、逆に考えればそれだけ技術革新の余地が残っている分野なのだと思います。 個人的には、HDDではなく、シリコンメモリを搭載するようになれば耐久性も増すので良いのではないかと思っています。(騒音もゼロですし)

>全部は無理としてL22いかがですか?Twoと比べてかなり価格が下がっています。

音の品位、傾向は先日の試聴で分かりましたが、当方所有のデスクトップPC本体と同じ値段がするサウンドボードを買う勇気は、ちょっと大魔王にはありませんcoldsweats01

投稿: JA1BBP 早坂 | 2009年2月24日 (火) 12時24分

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