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2009年10月28日 (水)

エンデュアランス号漂流

これ、実話を元にした作品ですが、これこそ『事実は小説よりも奇なり』を代表するような物語です。
 
南極点到達という偉業をアムンゼンに越されたイギリスの探検家サー・アーネスト・シャクルトンは、世界初の南極大陸横断の冒険に挑戦する。 時は1914年12月。 第一次 世界大戦が勃発した年だ。 隊員28名を乗せたエンデュアランス号は南極大陸に向かったが、行く手を氷に阻まれて遂に船は航行不能となる。 ついには船は氷により圧壊。 以後、巨大な氷の上に乗ったままの漂流を余儀なくされてしまう。        
 
沈む直前のエンデュアランス号から三隻のボートと食料などを運び出した隊員たちは、捕鯨船が立ち寄る南極大陸の突端を目指し流氷の上を徒歩で進む。 外は氷点下40℃以下。 吹きすさぶ強風。 寒さで凍傷になる隊員が続出する。 食料も底をつき始める。 ライフルの弾を節約するためアザラシを撲殺する。 肉は食料に、油は貴重な燃料になった。 アザラシの脂は特に貴重だった。 脂がなければ食料を調理できないからだ。アザラシが出現しなくなると餓死への恐怖が日々隊員に襲いかかる。 ついには、南極横断の犬ぞり用に帯同していた犬も食べざる終えなくなる。 途中、ペンギンも捕獲し何とか食いつないだ。 
 
隊員たちを乗せた氷は南極海を漂っている。 春が来ると今まで強固に思えた氷に一気に亀裂が入る。 うかうかしていると一瞬に海の下へ落ちてしまう。

氷の裂け目を発見し必死の思いでボートに乗り込み流氷群を脱出。 荒波にもまれながら実に10日以上掛けてエレファント島に辿り着く。 しかし、この島には隊員以外誰もいない。 隊長のシャクルトンは、6人からなる小隊を結成し、捕鯨船の寄港基地があるサウスジョージア島に救出を求めにゆく決意をする。 島には22人が残った。
サウスジョージア島までは、実に1,400km。 世界有数の海の難所とされる南極海を小型ボート一隻で走破しようとするのだ。 無謀というしかない。 しかし、隊員を助けるにはこれしか方法は無かった。 6人がサウスジョージア島に辿り着かなければ、残した22人も何れ死ぬことになる。 
 
外は氷点下の世界。 荒波で思ったとおりボートは進まない。 積み込んだ水は腐ってくる。 食料は残り少ない。 これでもかこれでもか、という苦難が隊員に襲いかかる。               

....下手な粗筋の説明はこれくらいにして、本当にこういう事があったのか、と思えるようなアクシデントや、困難が連続し、それを隊員たちが凌いで行く物語です。
そしてシャクルトン隊28人は17ヶ月に及ぶ極地での苦難を乗り越え何と全員が生還を果たすのであります。
 
南極大陸横断という目的は達成できなかった訳ですから、隊の成果としては『失敗』です。しかし、その失敗から人類の成しとげた偉業のなかでも特筆すべき心を打つ奇跡の実話が生まれたのです。 丁度、月着陸を狙ったアポロ13号が、途中故障により地球に引き返してきた物語りにも共通する話ですが、ただシャクルトン隊のそれはスケールが一段も二段も違うように思えます。
 
『流れる星は生きている』でも感じましたが、連日、生きるか死ぬかという状態が続くと人間はどのような行動を取るのか、という仮想体験ができるので大変参考になります。 ま、実体験はしたくありませんがね。
 
この隊が一人も死者を出さず生還できたのは、ひとえに隊長シャクルトンのリーダーシップに負うところが大きいとと思います。 彼なくしてこの偉業はなしえなかったと断言できます。 色々な性格を持つ隊員たちを率い行動し、最善の方向へ持って行く。 
ビジネスの世界にも通じるヒントが、この本の中には沢山ちりばめられています。
 
ある書評に、「奇跡の生還」、その言葉がこれほど似合うノンフィクションはないだろう、というのがありましたが、まさしくその通りだと思います。 この本を読んだら、世の中にある困難の殆どは困難ではない、とさえ思えるような凄みを感じます。
 
今から100年前の実話ですが、現代にも通ずる話です。 大魔王お勧めの一冊です。
...しかし最近、極限モノに凝ってるなあ....coldsweats01

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コメント

極限ものの実話は結構好きです。
読書がお好きなんですね。
こんなしおりを買いました。
かなりお気に入りです。
クリスタルグローブ。これちゃんと回るんです。
http://item.rakuten.co.jp/bunguya/bookmark08/?l-id=top_browsehist

投稿: JO1KVS | 2009年10月29日 (木) 19時46分

読書は昔から大好きです。 最近は減りましたがそれでも毎月10冊くらいは読んでいます。
ま、乱読の類です。

>こんなしおりを買いました。
う~ん、この手のグッズは大魔王のストライクゾーンです。
多分、来週には手にしているでしょう。
ご紹介ありがとう御座いました。coldsweats01


投稿: JA1BBP/ 早坂 | 2009年10月29日 (木) 20時45分

ストライクゾーンですね。
ヤッター。

投稿: JO1KVS | 2009年10月29日 (木) 21時17分

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