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2010年4月24日 (土)

大魔王、IC-7700で遊ぶ(其の壱) ~送信帯域をむりやり広げるの巻~

Ic7700_photo_2

このところIC-7700で遊んでます。
 
いや~このリグ、受信機としての基本性能がしっかりしていますね~。 
バンド内のざわつきが少なく、透き通った感じで聞こえます。
流石、IC-7800の技術を受け継いだマシン!
 
ただ残念なのは、その送信帯域幅。
ICOMのユーザーに共通して聞こえてくるのは、最大100~2,900Hzという帯域に対する不満です。
単純計算すると、2,800Hzしかありません。
 
基準信号としてピンクノイズを入れて測定したIC-7700の送信帯域特性(IF out)を下図に示します。
 

Ic7700_spdif_original


これは周波数特性が良いとされる『S/PDIF(デジタル)』ラインを使用した時のチャートです。
下は250Hz付近から減衰し始め、90Hz付近では、基準信号に対して6dBほど減衰しているため、6dB落ちの領域で評価すると、 2,900 - 90 = 2,810Hzが実際の送信帯域幅であることが分かります。 (恐らくICOM純正のマイクに適合するように、こうしたf特は決められてい るのだと思います。それと、逆サイドへの漏洩を防ぐための保険的な意味もあるのかも)

しかし、折角のDSP機なのに、この”寸止め”は如何なものか....などと思っているユーザーは少なくないはずです。
とは言え、帯域を広げようにも、あまりにDSPフィルタが切れすぎるため、通常のやり方では思った通りに帯域が広がらないというのが実情のようです。
 
しかし、そこで諦めていては、大魔王の名前が廃る!、と勝手に思い立ち、帯域を広げるチャレンジをしてみました。
結果を最初に紹介します。 下図がチャレンジ後の特性です。

Ic7700_at_2900hz_2

カットオフ周波数付近をトリミングしています。 がIC-7700オリジナルの特性です。 2,900Hzを境に急激に減衰しているのが分かります。
一方、が補正後の特性です。 6dB落ちで読み取ると2,980Hz付近まで帯域が広がっています。
加えて、3,100Hz以上へのはみ出しを防止する為にイコライザでノッチ機能を作り込んでいるので、3,100Hzを境に信号成分は見えなくなっています。 オリジナルよりもはみ出しが少なくなっています。 うふっheart01
 
さて、上のカットオフ周波数を無理矢理広げた次は、低域側の補正です。
低域側はDSPフィルタの切れがあまり良くないので、こちら側は比較的対処し易そうです。 これまた結果のみ。 イコライザで補正した後のf特を下図に示します。

Ic7700_at_80hz

80Hzまではほぼ一直線。 6dB落ちで見ると68Hz付近まで送信帯域が延びています。 しかも50Hz以下は、オリジナルの特性(無補正時)よりも減衰が大きくなるよう、特性を作り込んでいます。
 
因みに、これまで述べてきたイコライジングには、DEQ2496(Behringer)を使いました。 DEQ2496だと最小1/10 oct幅でゲインを入れたり、抜いたり出来るのでこうした用途にはVY FBです。 逆に、これくらいの狭帯域でゲインを調整出来る機種でないと、IC-7700や、IC-7800の強力なDSPフィルタに負けてしまいます。 具体的にはこんな感じです。

Ic7700eq


さて最後に、本邦初公開。 IC-7700でのBefor/Afterを示します。 

Ic7700_before_after_new

: フロントのマイク端子を使用した時のf特(無補正) :あまりf特は良くありません。
: S/PDIF入力を使用した時のf特(無補正) :マイク端子よりもベターですが、やはりちょっと....
: S/PDIF入力+イコライジング補正したときのf特 :
 
さて、これで送信帯域は何と、2,980 - 68= 2,912Hz! となりました。 これくらい帯域が広がれば質感が違ってくるはずです。
ここ2週間、この広帯域特性(勿論、電波法遵守)にてオンエアしていますが、レポートは上々です。

因みにこの特性を作り込むのに2時間掛かりました。 ICOMが”寸止め”をしていなければ、こんなに苦労はしなかったのに....

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コメント

寸止め、言い得ていますね~。
知り合いがTen-TecのOMNI-VIIを買いまして、TSSに依頼したところ、SSBの帯域を4kHzまで広げる設定があることで引っ掛かり、このままではダメなので、メーカーと交渉して日本の規格に合うようにファームウェアを送ってもらって自分で改造して申請して免許を通しました。ブロックダイヤグラムとかはメーカーさんは用意は無かったようなのですが、そこはTSSが手伝ってくれたそうです。
制限をやぶることはしないまでも広帯域SSBの可能性を秘めたリグ、面白そうですね。
このリグ、このやりとりが道を開いて、購入時にJA仕様でと言えばJA向けの仕様で買うことができます。

投稿: JO1KVS | 2010年4月24日 (土) 20時00分

OMNI-VIIですか。 さすがアメリカ製のリグだけあってそういう設定が出来るんですね。

因みに、FLEX-5000も実は、送信帯域を広げようとすれば楽に4kHz以上出せるのです。
...広げようとすれば、ですが coldsweats01

投稿: JA1BBP 早坂 | 2010年4月27日 (火) 12時25分

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