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2010年6月28日 (月)

大魔王、永年の課題に挑戦! ~DEQ2496のクロック換装~

Behringer_deq2496

■ようやく重い腰を上げる
ここ数年、DEQ2496(Behringer)をメインに音創りをやっています。
DEQ2496は、本当に良くできたシグナルプロセッサで、これ一台で大概の信号処理が出来ます。 特に、マルチバンドコンプレッサや、パラメトリックイコライザ、エキスパンダーの機能は秀逸で、この価格帯でよくぞ入れてくれた!というくらいのコストパフォーマンスを誇る機種です。 余りにも気に入ってしまったため、これまで同じ機種を二台も買ってしまった程です。
 
ただ、世の中、そう上手い話ばかりではありません。 永らく使っていると多少は気になる点も出てくるものです。その一つが音質。 全体的に音がもやるんです、この機種は。 鮮度が落ちるとでも言いますか。
 
その原因は色々あると思うんですが、その一つが内蔵クロックの品質だと睨んでいました。 クロックは、アナログ信号をAD変換してデジタル化する際に使われる重要な信号です。 そのクオリティが音質を左右しているのではないかという疑いから改造を決意しました。 デジタルオーディオの世界ではクロック換装は最早、常識となっていますが、それと同じことにチャレンジです。
 
■DEQ2496で使われているADC, DAC
DEQ2496では、旭化成のADC, DACが使われています。 型式は次の通り。
ADC: AK5393
DAC: AK4393
 
マイクからのアナログ信号は、早い段階で上記のADC(AK5393)でデジタル信号に変換され、その後はDSP処理される構成になっています。
従って、ADCのステージで良質のクロックを食べさせてあげないと、本来の音質が確保されない(原音であるアナログ信号と同じ品質にならない)ので、まず押さえるべきは、マスタークロック、ということになります。
 
■DEQ2496のマスタークロック
DEQ2496には、二系統のマスタークロックが内蔵されています。
① 44.1kHz系には、22.5792MHzの水晶発振子が使われており、これで44.1kHzと88.2kHzに対応します。
② 48kHz系には、24.5760MHzの水晶発振子が使われており、これで48kHzと96kHzに対応します。
 
ここで作られるクロックを高精度、高品質のものに変換しようというのが今回の目的ですが、具体的には48kHz系統のみ改造することにしました。 IC-7700が受け入れ可能なS/PDIF信号のサンプリングレートが48kHzのためです。
 
■高精度水晶発振器
三田電波の温度補償型高精度水晶発振器MTX-0510を、いつも利用するプラクトサウンドシステムから購入しました。 1ppmという安定度を誇る発振器です。(発振子ではなく『発振器』なので外付け部品は一切要りません。電源さえ供給すればこれ1個で発振します)。
1個6,000円弱と、決して安くはありませんが、オーディオマニアの扱うものに比べれば可愛いものです。

Deq2496_1

下記でも述べますが、今回はクロック信号を外部からDEQ2496に入れる方式にしたので、発振器の載った基板を金属ケースに組み込む事にしました。 生憎、ちゃんとした金属ケースが無かったので、手元にあった100円ショップで買ってきた小物入れ用のケースを間に合わせで利用しました。

Deq2496_osc_8

周波数カウンタを使い、周波数を計測してみたところ、24.576MHzに対して12Hz程度のズレがありました。ま、こんなものでしょう。(実際には、この1/512に分周される訳だし....)

Deq2496_osc_3

■改造の内容
改造の内容自体は簡単で、
①オリジナルの水晶発振子とその周辺部品(R,C)を取り外す、
②高精度水晶発振器の出力をデコーダのクロック入力(XIN)に入れる
この二点です。
 
実際に基盤から外す部品は次の通りです(備忘録の意味で書いておきます)。
48kHz系(24.5760MHz)  :C60,R48(部品面)、 C69(ハンダ面)
44.1kHz系(22.5792MHz) :C56, R43(部品面)、C65(ハンダ面)

Deq2496_osc_4a

次の写真は、取り外した部品ですが、このチップ部品のサイズは長手方向で1mm程度。 

Deq2496_osc_9


 ...もう自力では元に戻せません。
 
■外部からクロック注入
クロック基板は、最初、DEQ2496の内部に置くことも考えたんですが、最終的には、外部からクロックを入れる方式にしました。 DEQ2496内部の電源ノイズなどで、クロック信号が汚されるのを防ぐためです。 源発振周波数は24MHzなので、内部に発振器を入れた方が配線長も短くなるのでFBなんでしょうけど、先ずは外部からの注入にチャレンジしてみました。 注入口(BNCコネクタ)は、DEQ2496の側面に取り付けました。 (背面パネルはスペースが余りなかったので断念) 

Deq2496_osc_6

■いよいよ音の評価
音が、みずみずしい!!fuji ズバリ、DMS-05Dのゲイン調整抵抗をZ201に変えたときと同じくらいの変化があります。
音の分解能が上がり、リアリティが増しています。 これくらい変化があるのなら、納得です。 SSBでもきっとその違いが出てくると思います。happy01
不思議なことに、サンプリングレート44.1kHzのときの音も良くなっている気がします。 44.1kHz系はオリジナルの水晶発振子で駆動される訳ですが、クロック同士の干渉が減ったせいなのか、音が良くなったように感じました。 不思議です。

いや~、週末、リスク覚悟で改造しましたが、結果は大成功でした。 回り込みも今のところ発生していないので、先ずは目出度し、目出度し。fuji

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コメント

やはり効きましたか?
音質改善としてはC/Pが高い改造だと思います。一回やってしまうとルビジウムが欲しくなったりして・・・。
どちらかと言えば低域が綺麗になったのではありませんか?
同軸にBNC、高周波に慣れている無線家の改造ですね。良く単線で引き回しているのを見かけます・・・crying

先日のZ201もそうですが、部品の価格を考えるよりも、その部品を交換することが得られる感動(?)の対価と考えると、非常に安価ではないかと思います。
映画を数回見る程度の費用で、一生(?)経験できますからねぇ・・・。
という理屈で自己正当化している今日この頃・・・・。

投稿: JI1ANI / 福井 | 2010年6月28日 (月) 20時51分

>どちらかと言えば低域が綺麗になったのではありませんか?

低域が綺麗になったというよりも、中高域がスッと伸びるようになり見通しが良くなった、という変化でした。 それに改造前は、コンプが掛かったような少々上が押さえられたような音だったのが、それもなくなり伸び伸びとした音になったので大正解です。

>同軸にBNC、高周波に慣れている無線家の改造ですね。良く単線で引き回しているのを見かけます・・・

そうですね。発振器からの出力を単線で引き回す人は結構いるようです。 大半のオーディオマニアにはRFまで考えが至らないのだと思います。

ところで、この外部からのクロック供給方式も、本質的ではないと考え更に改良することにしました。 後日Blogにて紹介します。

投稿: JA1BBP/ 早坂 | 2010年7月 3日 (土) 14時58分

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