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2010年10月24日 (日)

HAYAアンプ 2号機完成

Haya2_0_2

■HAYAアンプのコンセプト
HAYAアンプとは、双三極管とオペアンプを組み合わせたハイブリッド・マイクプリアンプ。
プレート電圧と、ヒーター電圧が共にDC12V。 回路はシンプルに。
 
ま、このあたりをコンセプトに進めています。
HAYAアンプを検討するにあたりヒントにしたYAHAアンプは、6DJ8(ヒーター電圧6.3V)を使用した回路がオリジナルとなっています。
プレート電圧は12Vなので、ヒーター電圧を作るためにはボルテージレギュレータなどを使用して6Vを作る必要があるため、部品点数とコストが共に増えます。
そこで、HAYAアンプではそれを嫌って、ヒーター電圧12Vの真空管を使う事にしました。 
 
■HAYAアンプに使用できる真空管
では、12V系の真空管なら何でも使えるかというと、そう簡単な話しではなく、次の条件を満たしている真空管でないと実用になりません。
 
条件①: 内部抵抗(rp)が小さいこと (出来れば8kΩ以下)
条件②: 増幅率(μ)が小さいこと 
 
上記①&②が満たされていることが、絶妙なバランスで動作するYAHAアンプのポイントとされています。 現在入手が比較的容易なMT管でこれらの条件に合致するものとしては、以下のようなものがあります。
 
             μ    rp
5687   18   1.56k
12AU7   17   6.25k 
5965   47   7k
12BH7  20   5.5k
 
先に紹介したHAYAアンプ1号機は、5687を使用しましたが、2号機は、より入手し易い12AU7を使って製作することにしました。
 
■2号機の狙い
2号機はズバリ、『安い部品を使って、最大限のパフォーマンスを引き出す』ことを目標にしました。 全体の回路構成は1号機と同じですが、安価でしかも入手の容易な部品を使って作ることにしました。 因みに回路構成とは、
初段:トランスによる昇圧
中段:双三極管による増幅
後段:Opアンプによる増幅
です。 これでトータル60~70dBの増幅度をひねり出します。
 
■今回最大のポイントは、昇圧トランス 
大魔王の性分として『どうせ作るなら最高の部品で』という流れになるので、通常ならばタムラ、Beyer、Jensenなどのトランスを選ぶことになります。 現に1号機には、NHKの放送機材から取り外したタムラ製のトランスを使用しています。 しかし、それだと入手が困難ですし、あったとしても高価です。
 

0000000000067547_1

安価で素性の良いものはないか.....
幾つかの候補の中から今回は、昔、お世話になったサンスイのSTシリーズを使ってみることにしました。 トランジスタ回路に良く使いましたね、これ。 多くのラジオ少年がお世話になった筈です。 改めてカタログデータを見渡し、一番巻数比の高い『ST-14』を使うことにしました。
カタログ上の巻数比は、22.4 : 1 です。 従って、一次と二次を逆に使えば、『昇圧トランス』として使える筈です。  
 
■トランスST-14の懸念事項
ただ、懸念事項がありました。f特です。 サンスイのカタログには、ST-14そのもののf特はありませんが、比較的巻数比の近いST-12(10:1)のデータが開示されています。 それがこれ。

Ws000000_2

これを見る限り、とてもマイクアンプ用途としては使えません。 何せ、1kHzを基準にすると200Hzで5dB落ち。 100Hz付近だと恐らく10dB以上ゲインダウンしていそうです。 ST-12でこれなんだから巻数比の高いST-14だと更に酷いのでは。 嗚呼....駄目だこりゃ。 ST-14を買ったものの評価を躊躇していたのでありました。 
 
■しかし、光明が!
その後、音創り研究会のメンバーから情報を貰い、マイク側のインピーダンスが低ければ十分実用になる可能性が出てきました。 
どういう事かというと、メーカーが開示しているf特は、あくまでもトランスが持つインピーダンスに合わせた機材や負荷を接続した場合での計測値であり、それ以外のインピーダンスを持つ機材と組み合わせた場合では、結果が異なるということです。
 
具体的にはST-14の場合、一次:二次のインピーダンスは、それぞれ 500kΩ:1kΩ となっています。 今回は二次側を『一次側』として使用し、そこにマイクが接続されます。 トランスの仕様上のインピーダンスは上記の通り1kΩなので、仮に出力インピーダンスが1kΩのマイクを使えば、きっと上記チャートのように低域が垂れた信号が二次側に誘起されると思われます。
 
しかし、我々が日頃使っているマイクの出力インピーダンスは大体、200~300Ωくらいなので、f特はそんなに悪くならないのでは......
という期待を抱いて2号機の製作に取りかかったのでありました。 ま、兎に角やってみようと。
 
■増幅段が3段もあるのにこんなにコンパクト
途中の説明は省きますが、これが2号機の機能を盛り込んだ基板です。 DMS-05以来、愛用している汎用基板ICB-86を使用しています。
HAYAアンプも2台目なので、我ながら部品の配置が洗練されてきました。 基本的には、使用している部品は基板の上面に全て載っており、これがHAYAアンプで使用する電子部品の全てです。(あ、ST-14の向きですが、三枚下にあるケースに入った状態のものが最終です。 この写真を撮ったときは一次と二次をうっかり勘違いして取り付けていました(汗))。 

Haya2_1

Haya2_2

■ケースの選定
基板自体は、非常にコンパクトなんですが、MT管が乗りますので、ケースには高さ70mm以上の物が必要となります。 勿論、真空管を寝かせる方向に取り付ければ背の高いケースは要りませんが、それだと何だか見栄えが悪いので、垂直設置にこだわりました。
で、色々検討しか結果、最終的にはタカチのHU-1を選びました。 因みにサイズは、H:70、W:60、D:120 。 基板とのバランスも良く、良い塩梅で収納できました。 (但し、ケース底部にあるゴム足の位置と、基板の取り付け穴の位置が干渉するので、取り付けには工夫が必要でした)
 
では、記念撮影。 

Haya2_4

次に背面。 コンパクトにコネクタ類を配置できました。

Haya2_5

■で、心配していたf特は...
恐る恐るf特を測定してみることに。 入力信号には、いつもの通りDEQ2496からのピンクノイズを使いました。 最初のチャートは、ST-14の二次側(昇圧後の出力)です。

12au7_haya_st14_secondary_output

! 驚くべき事に殆どフラットです。 おおっ、素晴らしい !! ウソみたい。
次のチャートは、HAYAアンプ2号機の最終段での特性です。 

Haya_fcharacterinstic

100Hzから上は殆どフラットです。(赤い点線が完全フラット時の理想的な特性なので、それにかなり近い特性になっています)  これなら十分使えそうです。  因みにDEQ2496の仕様上の出力インピーダンス(1kHz時)は100Ωです。 従って、200Ω程度のマイクを接続しても大差ない特性が得られると思います。 

尚、f特を更に良くするためにNFBを掛ける実験をしてみました。 するとかなりf特が改善され、ほぼフラットな特性になりましたが、全体のゲインが20dBほど低下してしまうので採用を断念しました。 
 
■コストは? 
ST-14の実売価格は\900くらいなので決して安くはありませんが、それでも一般のオーディオトランスに比べればかなり安いです(例えば、Jensenのマイクトランスを使うと、トランスだけで\10,000円を超えてしまいます)。 一番値が張ったのがこのST-14と、ケース(HU-1)の\900であり、他は数百円、数十円の部品ばかりなのでトータルで\4,000円も掛かりませんでした。 
 
■只今、エージング中
全ての部品が新品なので、音が落ちつくまでには1週間程度はエージング必要と思われます。 一発目を聞いた感じでは真空管特有の音のビリビリ感(倍音)もあり、良い感じです。 これで当面遊んでみようかと。 
 
...と言いながら、既に『3号機』の構想をしているのでありました。coldsweats01 

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